目標、夢、そういうものはいつも沢山もっています。
かなえたいこと、達成したいこと、やらなければいけない事。
いつも帰り道の電車やバスや自転車なんかで、考えを整理してます。
その中のひとつの今年の大きな目標は「大会で結果を残す」ことでした。
僕個人としてはすでに達成したので、その時に次の目標が生まれたのです。
いままで僕は、碁は勝負の世界だから、マナー云々よりもまずは、勝ちにこだわれという気持ちで、やってきました。
その考えは、中国の百霊杯、夢百合杯などの世界大会を経験したり、中国の道場の世界トップレベルの環境を見て、そういうものなのだと感じました。
僕の理論では、一番強い人たちが、マナーが悪くても強いのだからまったくマナーなどどうでもいいという考えでした。
そして自分自身が、相手のマナーの悪さやぼやきは、盤上の勝負に関係なくそもそも無視するものであって気にしてるやつはバカだな、とマナーに無頓着な一面もありました。
事実、対局中自分が集中できるのであれば僕は石をカチカチしたり貧乏ゆすりをしたり舌うちしたり全く気にしませんでした。
先生などに注意されても、「邪魔をするなよ」程度にしか思っていませんでした。
碁は一対一の斬りあいなのだから、そんなものより、盤の上に魂をそそげと考えていました。
それほど盤に没頭していました。
実際僕はこのスタイルを貫くと、調子がかなり上がりました。
もしかしたら、イチロー選手の「プレパフォーマンスルーティーン」のように、貧乏ゆすりや石をカチカチすることで集中力をあげていたのかもしれません。イチロー選手に失礼ですね、ひどい(笑)
東京にいる父親は週刊文春などで執筆をするフリーライターをしていて、たまに手紙を送ってくれます。
アマ本因坊全国大会が終わり、父の手紙を読み直しました。
いつもその言葉に大きく影響を受けています。
そこにあるこの言葉に、時が止まったような感覚を覚えました。
「勝負に対する時、もう一度、自分の立ち居、振る舞い、所作を確認せよ!」
「確認するということは、冷静になるということだが、周囲を見渡しこれ自身に埋没という状況から離れて、周りと敵を見る冷静さ、ある意味冷酷さが要るということだ。それが、凌馬にあるか。」
未だに僕は、この言葉の意味を全て理解できずにいますが、心に深くささっています。
自分の振る舞い、所作、そういうものを気にしたことは今まで自分に無かったのです。
ある意味、スマートに、クールになれ、ということかなとか思ったりします。
そして僕はこの言葉と出会ってから今までの普通の生活が色違ってみえました。
例えば、羽根直樹先生の対局姿勢をみても感銘を受けます。自分もこうありたい。と。
色んな先生が、どう打ってるか観察します。
全国大会の後はインストラクターの仕事が増えたこともあり、より「人に見られる」という所で自分がどうあるべきかを考える機会が多くなりました。
僕の概念が壊れるのはすぐのことでした。
今までのマナーに囚われない自分を取っ払って、もう一度所作、振る舞いを見なおそう。
マナーが悪いのは気を配れてないのと一緒ですから。
イメージ的な表現でアバウトになりますが、
今までの自分を変えよう、簡単にいえば羽根先生のような対局姿勢になろう。
それは、謙虚でいてスマートでいてクールであることだと思います。
これは碁だけでなく対人関係でも一緒で、僕の幅が大きく広がりました。
まあ、全部まだまだなのですが・・・・
長くなりましたが、
本年度の目標は、「とにかくなにがなんでも結果を残す」でしたが、
来年度、もとい今年からは「強くて、それでいて対局姿勢も良い、人が見習いたくなるような碁打ちになる」というのが目標です。
そこにプロ棋士になる、という目標もついてくると思っています。
明日から東京へ移動し、11月28日から竜星戦全国大会が東京本院であります。
そこでも、強さもマナーの良さも人のお手本になるように、打ちたいです。